資料室

大切にしたい人生の格言

Life Lessons and Truisms

ウィリアム・ハンド

by William Hand

 最初に読んだときに理解したよりも、ずっと深い意味を含んでいるように思える特別な語句や言葉に、人生のどこかの場面で出会ったという経験を誰もがお持ちのことと思います。この記事で、私が意義深いと感じたことわざや格言をいくつかご紹介させてください。それぞれの格言に私なりの解釈を付け加えていますが、読者の皆さんのひとりひとりにも、少し時間を取って、このひとつひとつについて、じっくりと考えてみていただければ嬉しく思います。

人生で最も大切なものは、どんな品物でもない

The best things in life are not things.

 次のように述べた修道女の方がいます。「人生で最も大切なものは、お金では手に入らない。」どちらの格言も同じ真実に触れています。つまり、品物を得ることそれ自体が、私たちを幸せにしてくれるわけではないということです。素敵な家や車や、他の商品を欲しいと思ったり、手に入れたりするのが悪いことだと言っているのではありません。この格言がまさに意味しているのは、健康や心の平安や、他の人々の愛を、もし私たちが最終的に失うならば、おそらく最後には不幸だと思うようになり、一人の人間として何かをなし遂げていないと感じるだろうということです。

分別を捨てたときに、愛が始まる

Love begins when judgement ceases.

 これは私が個人的に好きな格言です。この格言は、私たちがエゴをコントロールすることができ、価値判断を控えるならば、すぐにでも愛が花開くということを述べています。はるか昔から、様々な神秘家が気づいてきたことですが、啓示(enlightenment)にとって大きな障害となることのひとつは、自己に注意を払いすぎることです。価値判断にかかわっているのはエゴ、つまり表面的で知性的な自己なのです。ですから、この格言で述べられている愛とは、神秘家の愛、つまり知性によるのではなく心の直観による愛のことです。そしてあなたが人を愛するときに、いつでもその恋愛の良し悪しを判断しているならば、決して人を本当に愛することはできないと言うことができます。

きっと、そうされたくないだろうから、コンピュータを人にたとえてはいけない

Don't anthropomorphise computers, they may not like it!

コンピュータを人に
たとえてはいけない

 コンピュータは今やありふれたものです。銀行やお店、空港、レストランのどこに行っても、何らかのコンピュータを見かけることになります。このごろは、腕時計にさえ、たいていはコンピュータ回路が入っているようです。コンピュータは、信じられないようなことを、驚くべき速さで行うことができます。しかし、コンピュータには心というものがあるのでしょうか。コンピュータは、人間のように決意したり行動したりすることができるのでしょうか。確かに、コンピュータが自分で意思を決めているように思えるときがあります。「コンピュータが拒絶しました」と画面に表示されたときなどです。

 しかし、本当にコンピュータを人間と同じようなものだとすることができるのでしょうか。コンピュータは、たとえば意識や感情、あるいは、人間らしい特徴だと考えられているさまざまな性質を持っているのでしょうか。中でも、自分には意識があるという自覚があるのでしょうか。この質問に対する、科学者が一般的に認めている答えは、「いいえ」です。そうは言っても、将来コンピュータはおそらく、人間の脳と同じかそれ以上の処理能力を持つように進歩するでしょう。そうなればひょっとすると、コンピュータが魂のエネルギーを引き寄せてそれと合体し、機械から生き物、つまり〈普遍的な魂〉(Soul)の生きた表現に変化するのかもしれません。そのとき私たちは本当に、コンピュータに、人にたとえられるのが好きかどうかを尋ねることができるでしょう。

もし訓練が高価であると考えるならば、試しに無知でいてみなさい

If you think training is expensive, try ignorance.

 20年以上前、大学院生に気象学を教えているときに、私はこの言葉に出会いました。この格言は、紛れもなく真実を指摘しています。それにもかかわらず、担当者が訓練を受けておらず、無知であったために、問題を処理することができず、その結果として客を失ってしまった会社に、何度あなたは出会ったことがあるでしょうか。賭けても良いですが、少なくとも1回はあるのではないでしょうか。何か新しいことを始めようとするときに、それについての初歩的な知識を得ることなしに、多くの時間や資金を投入することになるであろう計画を始めてしまったことがありますか。そうです。私たちは誰でも、最終的には失敗から学ぶことができます。しかし、その失敗は、時にはとても高くつくことがあります。ですから、ほんのわずかな訓練をしておくことが、長い目で見れば役立つことがあるのです。現に、バラ十字会の学習をしている私たちは、そのことをすでに知っています。バラ十字会での学習から得られる効果がもしなかったとしたら、あなたの人生はどれほど苦労の多いものになっていたかを想像してみてください。

裕福になるためには2つの道がある-より多く作ることと、より少なく望むこと

There are two ways to become rich, make more or desire less.

 現代では、世界中の多くの人が、物質的な意味で裕福になりたいと思っています。そして、その目標を達成する唯一の道は、一生懸命に働き、多くのお金を稼ぐように努力することだと考えています。しかしこの方法は、ストレスや家庭不和といったさまざまな問題の原因となります。そこで、もう一つの道があります。それは、現在自分が持っているものを完全に把握して、その上で欲しいものは何なのか、なぜそれが欲しいのかを十分に考えることです。リストを作り、その中の絶対に必要とは思えない品物に線を引いて消し、すでに持っているものを調べると、余暇の時間や心の平安や、すでに持っている財産など、今まで見過ごしていた豊かさを、あなたはすぐに見つけ出すことができます。

雨が降らなければ、虹は出ない

No rain, no rainbows.

 気象学的にも、このことは紛れもない事実です。虹が嫌いな人はいません。そして、虹は美しいものですが一時的な現象です。ですから、虹の美しさを楽しむチャンスが訪れたならば、そのチャンスを素早く捉えなくてはなりません。しかし、二元性の原理に従えば、虹を実際に味わう前には、まずいくらかの雨を経験しなければならないのです。二元性の原理とは、人生で起きるできごとには二重の性質があり、相対的なものであるという原理です。

すべての輝くものには曇った部分がある

Every silver lining has a cloud.

 この格言は、先ほどの虹の格言と似ています。そして、通常は違う語順で「どの雲も裏側は銀白」(訳注)と言われます。しかし、このように別の言い方をすることによって、すべての作用には反作用が存在していることを、より簡単に理解することができます。ある人にとっては「輝くもの」であるかもしれないものが、別の人には「雲」であることがあります。人生には絶対的な価値があるのではなく、相対的な価値だけがあります。
訳注:どの雲も裏側は銀白(Every cloud has a silver lining.):暗い状況でも希望は見いだせるというたとえ。

人は自身に似せて神を創造した

Man created God in his image.

 永遠の真実があるとすれば、この格言はそのひとつです。私たち人間が神について語ったり、神を説明したり讃えようとするときに用いることができる唯一の方法は、人間の言葉を使うことです。神は探究の及ぶ範囲を超えており、誰一人として神の真の性質を知りません。私たちは神の存在を感じることができますが、神を理解しているとは、永遠に、決して言うことができません。

予言はとても難しい、特にそれが未来に関するものである場合には

Predicting is very difficult, especially when it concerns the future.

 これはとても気の利いた言い回しの格言ですが、深い意味合いが含まれています。未来を知っていると主張する人たちに私たちは何度、出くわしたことでしょうか。誰かの宿命を知っていると言ってみたり、もしやり方を変えないのであれば、何か恐ろしいことが起きると言ったりする人たちです。この種の予言のほとんどは、予言を受け取る人のためというよりは、むしろ予言者のエゴに利益をもたらすものでしかないため、結局は失敗に終わります。しかし、間違った予言の影響は、感受性の強い人たちを混乱させることがあります。生物は常に進化していますし、〈創造主/神〉の定めた基本計画というものが存在するのかもしれません。しかし、このページのたったひとつの文字から、この記事の意味や意図を知ることができないのと同じように、誰ひとりとしてそのような基本計画について知ることはできません。

微笑みは唇でできる2番目に良いこと

Smile, it's the second best thing you can do with your lips.

親しみのある笑顔には素晴らしい
効果があります。

 親しみのある笑顔には素晴らしい効果があります。この次、唇で何かしたいと思ったときに試してみてください。

部屋の中で一番大きな声が、必ずしも最も明瞭な発言ではない

The loudest voice in the room is not necessarily the clearest.

 沈黙には強さがあることが多いものです。いつ話をやめて耳を傾けるべきかを知っていることは、とても有益な技法です。自分自身の声を聞くのが好きな人々は、話すのに忙し過ぎることがたびたびあり、そうしている間に多くの学びの機会を逃してしまいます。もしその人が、一生の間、このようなことを続けるとしたら、進歩することはないでしょう。ですから、その人が語る言葉はいずれ、明確さを欠き、混乱した内容になってしまうことでしょう。

幸運は、準備と機会の出会う場所

Luck is the meeting place of preparation and opportunity.

 私は幸運などというものは存在しないと常々言っていますので、この格言が大好きです。あるいはまた、一歩譲るとすれば、すべての人は自分自身の幸運を作り出していると言いたいのです。一生を通じて、昇進の機会や富を得る機会、心の平安、幸せを得る機会などさまざまなチャンスが訪れます。もし私たちが心の準備をしており、そして、バラ十字会での学習によって、適切な用意ができているのであれば、機会の訪れを知ることができ、うまくつかむことができるでしょう。他の人々は私たちが幸運であると思うかもしれません。しかし、だからこそこう言います。私は、日々満足している人であるよりも、幸運をつかむ人でありたいのです。

 ※上記の文章は、バラ十字会が会員の方々に年に4回ご提供している神秘・科学・芸術に関する雑誌「バラ十字」(No.136)の記事のひとつです。バラ十字会の公式メールマガジン「神秘学が伝える人生を変えるヒント」の購読をこちらから登録すると、この雑誌のPDFファイルを年に4回入手することができます。

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