資料室

あなたの人生哲学について話してください

A Personal Philosophy

アフェクタートル

by Affectator

 あなたの人生哲学や人生観について話してくださいと頼まれたら、どう答えるかを考えたことがおありでしょうか。「人生哲学などない」とお答えになるかもしれませんが、厳密に言えば、この答えはあなたの真意を尽くしていないのではないでしょうか。おそらく、「多くの人が期待するような、当節風の白黒ハッキリした簡潔な言葉で、私の人生哲学を理路整然と語ることはできない」という意味なのではないでしょうか。おそらく、人それぞれで少しずつ異なっているでしょうが、私たちの誰にも、大切に守っている道徳や倫理的な基準がいくつかあります。ですから、もしさまざまな背景を持つ人たちに、十分な時間を確保していただいて、自分の人生哲学について考え、上手に説明してもらったとしたら、それぞれの人の答えは間違いなく、とても興味深く、考えさせられるものになることでしょう。

 受け取る答えはおおむね、次のような、いくつかの種類のものであることでしょう。手に入るものはすべて手に入れ、痛い目に遭う人がいても気に留めないというのが、この種のことに関する私の考えだと言う人がいるかもしれません。この人生では、すべての人が自分のために存在していると言う人もいるかも知れません。また、自分の人生哲学は自分の信じる宗教であると考える人もいるでしょうし、自分は、家族のためだけに生きていると言う人もいることでしょう。確かにさまざまな答えがあります。しかし、自分はいくつかの理想を守ろうと努力しており、他の人と分かち合うことや、可能なときにはいつでも助け合うことに、もっと多くの人が配慮を払うべきだと考えているのだと言う人が、おそらく少数ですがいることでしょう。つまり、利他心が人生哲学に必要不可欠な要素であると考える人々です。

 思慮深く真面目な人は誰しも、ある哲学を持っていて、それに忠実であろうと努力しています。そして、人間が守るべき信念には、少なくとも利他心が含まれるべきだと考えています。しかし、すべての人の人生哲学に利他心が含まれているわけではありません。利己的な性質の人生哲学を持つ人も多くいます。自分の健康や家族の良い関係を望むのは当然としても、他人に与える負担は顧みずに、多くのお金を稼ぐことを目的とする人が、常に、あちらこちらにいます。また、肉体的な快楽にふけることだけを考える人も、物質的な楽しみのことだけを考える人もいます。多くの人が、自身の満足と名声を求めています。

 しかし、ありがたいことに、自分の周りの人の幸せや友人が抱える問題に関心を示す人々もたくさんいます。そのような人は、人間としての尊厳に大いに関心があり、自分自身の尊厳も他の人の尊厳も同様に重要だと考えています。そして、ある程度人生を楽しみ、他の人たちも同じ楽しみが得られる手助けをしたいと考えます。彼らの人生哲学は、「多くの人たちに多くのものを」なのではないでしょうか。先ほど述べたように、良い人生哲学には、少なくともある程度の利他心が含まれるべきです。つまり、他の人が必要としているものに心から関心を示すことです。このような関心には、自身の感情を判定する者、すなわち良心が関与しています。しかし、すべての人の行動に良心が高いレベルで表れているわけではありません。

 自分に対して嘘偽りがないだけでなく、他の人たちに対しては、さらに嘘偽りがないということが、人生哲学には含まれていなくてはなりません。何よりもまず、自分自身に正直でなくてはなりませんし、いかなる代償を払っても、自尊心と誠実さと心の気高さを保ち続けなければなりません。悲観的な思いにとらわれるべきではありませんし、そんな時間もありません。より良い日を夢見てその準備をし、過ぎゆく日々を楽しみ、謙虚な気持ちで未来を信頼する必要があります。アメリカ人の作家で哲学者のエルバート・ハバードは、まさにこのことを、自身の著書の中で、次のように記しています。「この地上の平凡で素朴で、ありふれた単純なものごとを愛すること、それについて歌うこと、身近なものを美しくし、日常を魅力的にすること、木々の茂みのひとつひとつを、生き生きとした〈創造主/神〉を実際に感じることで燃え上がらせること」。

 哲学とは、本当はどのような意味なのでしょうか。私たちの先輩である古代ギリシャの人々によれば、哲学とは、真実、つまり理にかなっていることと正しいことへの愛を意味します。ですから哲学とは、言葉においても行動においても、真実に従って生活し、真実を表現することを意味します。それはまた、この生涯を生きていくうえで、私たちの人格や、個人としての生活やふるまいが、正しさを疑われるようなものであってはならず、名誉や、謙虚さという心の強さや、言うまでもなく、真実と正直さで満たされているべきだということも意味しています。

 ※上記の文章は、バラ十字会が会員の方々に年に4回ご提供している神秘・科学・芸術に関する雑誌「バラ十字」(No.138)の記事のひとつです。バラ十字会の公式メールマガジン「神秘学が伝える人生を変えるヒント」の購読をこちらから登録すると、この雑誌のPDFファイルを年に4回入手することができます。

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