資料室

錠前と鍵

The Lock and the Key

ルイ・クロード・ド・サン=マルタン

by Louis Claude de Saint-Martin
(1743-1803)

 真実を見抜くために必要でありながら、人間が持ち合わせていないものは、鍵ではありませんし、ましてや錠前でもありません。なぜなら、錠前はあらゆるところに存在し、鍵は人間自身の内面に備わっているからです。人間に欠けているのは、時と場合に応じて、錠前に合わせた鍵を適切に使用する洞察力と判断力です。つまり、類似しているものごとを注意深く比較し、物質的なものを見つけようとしているのに精神的なものの中を探さないこと、そして、精神的なものを見つけようとしているのに物質的なものの中を探さないことです。なぜなら、真実を見抜くということに関して言えば、鍵も錠前も同じ実体、すなわち、どちらも精神的な実体だからです。

 しかし人間は、まるでどちらか片方しか精神的なものではないかのような対処をしています。つまり、自分たちのことを精神的な存在であると考えている場合には、それにもかかわらず、物質についての知識の範囲内だけを探求しています。そして、神聖な普遍的原理のことを心から大切に思っている場合には、その原理が十分に近づくことを許していないので、人間自体の性質の尊さが、自分たちに、はっきりとは示されていないのです。

 ※上記の文章は、バラ十字会が会員の方々に年に4回ご提供している神秘・科学・芸術に関する雑誌「バラ十字」(No.139)の記事のひとつです。バラ十字会の公式メールマガジン「神秘学が伝える人生を変えるヒント」の購読をこちらから登録すると、この雑誌のPDFファイルを年に4回入手することができます。

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