資料室

世界の十大聖地(パワー・スポット)

Sacred Places

ステラ・ダーティントン

by Stella Dartington

 聖地もしくはパワー・スポットと呼ばれるような場所が、世界中に数多く存在します。そのうちのあるものは息をのむような素晴らしい自然の風景であり、あるものは、度肝を抜かれるほどの人間の創造力の実例です。また、外見上は普通だった場所が、そこで起こったできごとによって聖地に変わったという例もあります。絶望した人々から信仰心の厚い人々まで、さまざまな思想を持つ人から、時には何の思想も持たない人まで、毎年何百万もの人々が世界中の聖地に惹きつけられて、そこを訪れます。

 これらの場所のすべてには熱烈な信奉者がいて、不思議な癒やしや神秘的なできごとについての逸話があります。そのような話によって、観光客はますます、その土地に惹きつけられます。古代から信仰を集めていた聖地もありますが、現代になってから聖地の目録に加えられた場所もあります。この記事では特に有名な聖地を取り上げます。浮世の煩わしさからすべてを投げ出しそうになったら、そうする前に、それらを見に行くことをお勧めします。せめて写真だけでも見てください。

チャイティーヨー山の巨大岩

ビルマ(現ミャンマー)のチャイティーヨー山(Kyaiktiyo)の黄金色の巨大な丸岩、別名ゴールデン・ロックは、標高1100メートルの山頂にあります。訪れた仏教徒たちが、ときには危険を感じながら丁寧に貼り付けた金箔で覆われており、絶えず日の光を反射して見事に輝いています。この岩は一般に信じられているところでは、仏陀の一本の髪の毛によってバランスを保っているとされ、まるで重力に逆らっているかのように見えます。

ボロブドゥールの仏教寺院

インドネシアのジャワ島にあるボロブドゥールの仏教寺院は、建築の傑作であり、仏教の宇宙観を象徴するように設計された構造をしています。ボロブドゥールは、丘を囲む3つの階層を持ち、全体として一つのストゥーパ(stupa:仏塔)であるかのように築かれています。ピラミッドのような形の正方形の基部の上には、基部と同じ中心を持つ5段の方形壇が作られ、その上に3段の円形壇があり円錐状をしています。そして、全体の頂上には大きなストゥーパがひとつ載せられています。

 この寺院は、西暦8世紀または9世紀に建設された後に、19世紀に再発見されるまで放棄され、ジャングルの中に忘れ去られていましたが、その後、修復がなされました。来訪者は遺跡に登り、頂上へ着くまでに、回廊に刻まれた多くのレリーフに表されている教訓的な物語を見ることができます。そうすることで、内面的な目覚めを得ることが意図されています。

ウルル

ウルル(Uluru)は、数え切れないほどの観光パンフレットでよく知られていますが、オーストラリアの巨大な砂岩で、先住民であるアボリジニの人たちの聖地です。エアーズロック(Ayers Rock)という名でも知られています。オーストラリアの辺境乾燥地帯(outback:アウトバック)にある驚くほど印象的なこの岩は、太陽の光の当たり方で岩の色がさまざまに変化していくことで有名です。特に朝日と夕日を浴びたときに鮮やかな赤色に輝きます。この土地の所有者である、伝統的なアボリジニのアナング族(Anangu)の人々は、彼らの祖先である創造神の霊がウルルに宿っていると考えています。砂と低木に覆われた砂漠にそびえ立つウルルの土地に、先住民の人々が最初に定住したのは、少なくとも四万年前だと言われています。

ガンジス川

インドのガンジス川は、多くのヒンドゥー教徒にとって聖なる川です。川の流域にある都市アラハバード(Allahabad)には、12年に一度行われるマハ・クンブ・メーラ(Maha Kumbh Mela)という祭典のために、多くのヒンドゥー教徒が集まります。この祭典は、世界で最も多くの人が集まる行事です。人間も動物も、生きている者も死んでいる者も含めた、数えきれないほどの体の汚れによる健康への懸念をものともせず、信者たちはこの神聖な川で沐浴をします。そして、ヒンドゥー教の多くの神の中から選んだ、ある神に捧げるためにロウソクに火を灯します。

サンピエトロ大聖堂

バチカンのサンピエトロ大聖堂は、ローマ・カトリック教会の脈打つ心臓です。ローマ教皇の住居であり、イエスの最も親しい、何でも打ち明けられる友人であり、「岩」というあだ名でイエスに呼ばれていたペトロ(訳注)の墓所だとされています。漁師であったこの殉教者ペトロを記念して、教皇は「漁夫の指輪」をはめています。豪華なバシリカ式の大聖堂の内部にある、豊かな装飾が施されたペトロの礼拝堂には多くの人が訪れます。

訳注:岩(the rock):ペトロはイエスからケファという呼び名を与えられたとされている。「ケファ」はアラム語で「岩」を意味し、ギリシア語のペトロ (petros)に相当する。

嘆きの壁

エルサレムの嘆きの壁とは、ソロモン王によって建てられた神殿の、現存している西側の壁です。王はこの神殿を地上における神の家として建設しました。エルサレム神殿は西暦70年に破壊されましたが、神殿がかつて建てられていた場所の周囲に残されている壁の遺跡は、ユダヤ教の最も神聖な聖地になっています。信者たちは、願いごとを紙に書いて巻き、石の隙間のあちこちに差し込みます。

メッカ

サウジアラビアのメッカ(Mecca)は、イスラム教の最も神聖な場所です。預言者ムハマンドの生まれた場所であるこの都市へ、イスラム教徒は少なくとも一生に一度は巡礼することが奨励されています。そして毎年、およそ200万人の信者が訪れ、この巡礼の旅はハッジ(Hajj)と呼ばれています。この巡礼で信者は、メッカにある大聖堂グランド・モスクで行われる式典に、少なくとも5日間参加します。

ストーンヘンジ

ストーンヘンジは、イギリスのウィルトシャー州、ソールズベリー平原に立っている、印象的な一群の巨石からなる遺跡です。ウィルトシャー州は、とりわけ古代のドルイド教の人々にとって神聖な土地だったと考えられます。この巨石の配列は、冬至と夏至の日になると太陽の方向に一致します。そして、この場所は現在も人気があり、古代の多神教を信仰する西洋の人たちから、極めて神聖な場所だとされています。

ルルドの泉

ルルドはフランス南部の町です。この地で、農家の娘ベルナデット・スビルーが10代のときに、聖母マリアの幻視(vision:ビジョン)を見ました。少女がマリアの指示に従うと、その場所からは泉が湧き出しました。それ以降、この泉によって、多くの奇跡的な治癒がもたらされたと考えられており、熱心な信者たちがこの神聖な場所を訪れています。

グラストンベリーの丘

イギリスでは、グラストンベリー・トー(Glastonbury Tor)と呼ばれる小高い丘以上に、神秘と魔法に溢れているところはありません。この地域は、自然を愛する人たちや、古代ヨーロッパの自然崇拝や多神教の伝統を信奉する現代の人たち、特に女神崇拝の伝統と女性の超自然的な力に目を向ける人たちによって尊重されています。

 この丘自体が、女性の姿によく似ています。そして、ここを訪れた人は誰もが、ある程度健康であれば、段々になった道を登り、頂上の遺跡にたどり着きたいという誘惑に勝てないことでしょう。すぐ近くには、癒しの効力があるという評判の聖杯の井戸(Chalice Well)があり、この地域全体が、伝説のアーサー王と、王の右腕であった魔法使いマーリン(Merlin)と関連があるとされています。

グラストンベリー・トーの
ふもとにある聖杯の井戸

 ※上記の文章は、バラ十字会が会員の方々に年に4回ご提供している神秘・科学・芸術に関する雑誌「バラのこころ」の記事のひとつです。バラ十字会の公式メールマガジン「神秘学が伝える人生を変えるヒ ント」の購読をこちらから登録すると、この雑誌のPDFファイルを年に4回入手することができます。

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